
台北から電車やバスで気軽に行ける港町・基隆(キールン)。台湾北部に位置し、美しい海岸線と港の風景、活気ある夜市で知られています。その中でも「基隆廟口夜市」は地元の人も通うグルメスポットとして有名で、台北からわざわざ足を運ぶ人もいるほど人気があります。
また、海に面した和平島や中正公園の観音像など、景色や歴史を楽しめるスポットも充実。この記事では、そんな基隆の基本情報から観光スポット、アクセス方法、グルメまで、初めて訪れる方でも安心して楽しめる観光案内をまとめました。日帰り旅行にもぴったりの基隆を、ぜひ台湾旅行のプランに加えてみてください。
基隆エリアの特徴

基隆(キールン:Kiirun)は、台湾北部に位置する港町で、台北から電車やバスでおよそ40〜60分とアクセスできます。古くから貿易や漁業で栄えた歴史があり、現在も新鮮な海鮮グルメや港町らしい風景で観光客を魅了しています。
観光地としても人気のあるエリアですが、「雨の都」と呼ばれるほど年間を通じて雨が多く、観光するには折り畳み傘が必須となります。おすすめの季節は旧正月が終わってから4月にかけての春。比較的穏やかな気候で過ごしやすい時期とされています。
そんな基隆のおすすめポイントは3つあります。
- 港町ならではの海鮮グルメ
- 基隆廟口夜市
- 日本統治時代の面影
やはり魅力的なのは海鮮グルメ。なんとお寿司屋さんもあり、お寿司だけでなく海鮮丼なども食べることができます。もちろん台湾の海鮮料理も充実しており、牡蠣や海老、イカなども新鮮で市場を見ているだけでも楽しめます。
台湾旅行の楽しみのひとつである「夜市」もあります。基隆廟口夜市は台北市内でもなかなか見かけないほど規模が大きい夜市で、夕方から夜にかけてローカルな雰囲気を満喫できます。1日観光したあとの締めとして過ごすのにおすすめです。
そして、基隆は日本統治時代に発展した街ということもあり、街そのものに日本統治時代の面影を感じることができます。統治時代の歴史的にも重要なエリアであり、日本と台湾の関係を深く知りたいという人にとって、学び多きエリアでもあります。
基隆エリアの観光スポット

- 基隆廟口夜市(グルメが充実している24時間営業の夜市)
- 和平島公園(奇岩が並ぶ海岸線やエメラルド色の海を満喫できる絶景スポット)
- 中正公園・基隆市立忠烈祠(日本統治時代には基隆神社があり、基隆の街を一望できる)
- 正浜漁港カラフルハウス(日本人が創設した漁港に建つ写真映えする建物)
- 基隆港・基隆海洋広場(台湾を代表する港豪華客船や巨大クレーンを楽しめるスポット)
- 基隆塔(基隆に新しくできたランドマーク)
- 国立海洋科学技術博物館(海洋文化、海洋科学、海洋環境などを学べる教育施設)
基隆エリアの定番観光スポットで、絶対に外せないのは基隆廟口夜市です。夜市ですが24時間営業なので、グルメだけを楽しみたいのであればランチ利用もおすすめです。
港町ということもあり観光スポットは海岸や港に関係するものが中心で、それらのスポットを巡っているだけで1日が過ぎてしまいます。思いつきで移動すると時間をロスしてしまいますので、ある程度スケジュールを組んで訪れるのがおすすめです。
基隆エリアの穴場観光スポット
- 阿根納造船所(台湾統治時代の日本が鉱物の保管所として建設し、その後に造船所となった建物跡)
- 和平島観光漁業市場(新鮮な漁産物を購入したり屋台などで味わえる市場)
- 八斗子駅(基隆市と新北市の境界に位置する駅で、海のある美しい風景を楽しめる)
- 沙湾歴史文化公園(昭和6年に建設された日本式の木造建築を見ることができる)
- 情人湖浜海大道(海と青空が美しい景観スポットでローカルフードを味わえる)
- 仁愛市場(100軒以上の飲食店がひしめく隠れたグルメスポット)
基隆で味わいたいグルメ

台北から少ししか離れていない基隆ですが、基隆ならではのグルメスポットやローカルフードもあり、食いしん坊の旅行者の胃袋を満たしてくれます。そこでここでは、基隆で味わいたいグルメ情報をまとめてご紹介します。
基隆廟口夜市のローカルフード
基隆観光で外せない基隆廟口夜市には、多くの屋台が立ち並び、基隆ならではのB級グルメを味わえます。基隆廟口夜市で外せないローカルフードは3つあります。
- 天婦羅(甜不辣)
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ほんのり甘い特製タレが特徴の台湾式さつま揚げです。出汁が染み込んだモチモチ食感が癖になる1品です。
- 奶油螃蟹
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クリーミーなソースでいただくカニのバター焼き。
- 泡泡冰
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ふわっと滑らかな食感の台湾風かき氷(シャーベット)で、マンゴーやレモンなどフルーツ味が人気。
新鮮な海鮮料理
すでにお伝えしましたように、基隆は港町ということもあり、新鮮な魚介類が手に入ります。このため多くのお店で海鮮スープや海鮮炒めを楽しむことができます。鮮度が高くて美味しいのはもちろんのこと、リーズナブルな料金設定になっていて、財布に優しいのも魅力です。
その他の基隆名物グルメ
基隆には屋台料理や海鮮料理以外にもローカルフードもあります。その中でもおすすめなのが次の2つ。
- 鼎邊趖(ディンビエンツォー)
- 基隆咖哩飯
鼎邊趖は米粉を使った基隆発祥のスープ料理で、海鮮や野菜の旨みが溶け込んだ素朴な味わいが人気。基隆廟口夜市のお店でいただけます。
そして、基隆は日本人が多く暮らした地域ということもあり、咖哩飯(カレーライス)のお店がいくつもあります。またご飯ではなく麺とカレーを合わせた「咖哩炒麵」もローカルフードとして人気があります。日本のカレーライスに近い味わいですが、中華料理のエッセンスも加わっており、お店ごとのこだわりを楽しめます。
基隆エリアへのアクセス

基隆エリアへのアクセス方法は大きく分けて3つあります。
- 台湾鉄道(TRA)で行く
- 長距離バスで行く
- タクシー
基本的にはどの方法でアクセスしても、移動にかかる時間は変わりません。ただし、それぞれ料金や特徴が異なりますので、どのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
台湾鉄道(TRA)
おすすめ度:★★★★★
基隆駅まで乗換なしで行ける路線があり、片道約200円で移動できます。時間帯にもよりますが、10〜20分に1本と本数も多く、ほとんど待ち時間なく移動できます。渋滞することもないため、スケジュールを組みやすいといったメリットもあります。
また、八斗子駅を訪れたいなら、電車移動が最適な選択肢になります。
所要時間:台北駅から基隆駅まで約40分
料金:片道約62元(約300円)
長距離バス
おすすめ度:★★★
長距離バスは台北駅だけでなく、圓山駅、忠孝復興駅などからも乗車できるため、台北駅を経由せずに基隆に行けるといったメリットがあります。ただし、通勤時間や休日は渋滞の影響を受けることもあり、スケジュールを組みにくいといったデメリットもあります。
所要時間:台北市内から基隆まで約50〜70分
料金:片道61元(約300円)
タクシー
渋滞がない場合、最もスムーズに移動できる方法がタクシーです。ホテルから基隆駅までなど、目的地にノンストップで移動できるため、約35分で到着します。料金は約3,900円にもなりますが、3人で移動すれば1人あたり片道1,300円になり、そこまで割高感はなくなります。
おすすめ度:★★★★
所要時間:約35分
料金:片道約 800元(約3,900円)前後
まとめ:台北から足を伸ばして港町基隆の魅力を味わおう
基隆は、台北からわずか1時間ほどでアクセスできる港町です。市内中心部はコンパクトで回りやすく、廟口夜市のグルメや港の景色、歴史を感じる公園や建築など、多彩な魅力が詰まっています。台北から日帰りで訪れることも、宿泊してじっくり楽しむこともできるのが魅力。
台北観光に加えて基隆を訪れれば、同じ台湾でもまったく違う表情を体験でき、旅の満足度がさらに高まります。青空が風景をより美しいものにしてくれるので、できるだけ晴れた日に訪れるのがおすすめです。ただし雨が多い街なので、出発するときに晴れていても折り畳み傘を用意してください。
また、九份エリアからも近く、九份観光の帰りに立ち寄ることもできます。
「食」「海」「歴史」が揃った基隆は、台湾旅行をより充実させたい方におすすめのエリアです。次の台湾旅行では、ぜひ基隆にも足を伸ばして、港町ならではの時間を楽しんでみてください。