
台湾旅行を計画している人が、意外と見落としがちなのが「ホテルのアメニティ事情」です。台湾では環境保護の観点からホテルでの使い捨てアメニティの無償提供が原則禁止されており、日本と同じ感覚で宿泊すると、「歯ブラシがない」「スリッパが置いていない」と戸惑うことになります。
本記事では、台湾のホテルで無償提供されないアメニティの内容や背景を解説しつつ、旅行前に自分で用意すべきアイテムをわかりやすくまとめます。事前にしっかり把握しておき、台湾旅行がより快適なものになるように事前に準備しておくための参考にしてください。
台湾のホテルでは使い捨てアメニティの無償提供禁止

台湾では、環境保護とプラスチック削減を目的として、宿泊施設における使い捨てアメニティの無償提供が原則として禁止されています。これはホテルごとの取り組みではなく、政府の方針に基づいた宿泊業界の全体的な取り組みになります。
対象となるのはビジネスホテル、都市部の宿泊施設、さらには一部の民宿やゲストハウスまで含まれます。もちろん、1泊3万円以上するような高級ホテルでも同様です。価格帯やホテルのランクに関係なく、日本では「置いてあって当然」と思われがちなアメニティが用意されていないと考えてください。
ただし、多くのホテルではフロントでアメニティを取り扱っています。これまでのように「無料」ではなく、「有料」になりますが、持って行くのを忘れても、どうにもならなくなるわけではありません。ただし、深夜到着時や在庫切れの場合、すぐに入手できないこともあります。
また、日本のように「頼めば無料でもらえる」という対応は基本的に期待できません。このルールには例外はなく、環境配慮を前提とした運営が徹底されています。台湾旅行を快適に楽しむためには、「日本のホテルと同じサービスが受けられる」という先入観を捨て、現地のルールを理解した上で準備しましょう。
無償提供されない使い捨てアメニティ一覧

台湾のホテルで無償提供されない使い捨てアメニティは下記になります。
- ミニボトルのアメニティ(シャンプー・コンディショナーなど)
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- ひげそり用カミソリ
- ヘアブラシ・くし(ヘアコーム)
- シャワーキャップ
- 使い捨てスリッパ
気をつけたいのは歯ブラシと歯磨き粉です。日本のホテルでは定番ですが、台湾ではほぼ確実に置いていません。フロントで有料販売されていることはありますが、深夜到着時などは購入できない場合もあるので、必ず日本から持っていくか、現地のコンビニなどで調達しましょう。
現地調達が難しいのが使い捨てスリッパです。衛生管理はされていますが、他の人が使ったスリッパは……という方はダイソーなどで事前に購入しておきましょう。
台湾のホテルで用意されているもの

台湾では使い捨てアメニティの無償提供が制限されていますが、部屋に何もないわけではありません。何が用意されているのかを把握して、ムダな荷物を減らしましょう。
シャンプー・ボディソープ(備え付けタイプ)
ミニボトルのシャンプーやボディソープなどは廃止されていますが、バスルームにはボトル式のシャンプー・ボディソープが用意されています(ゲストハウスの場合は備え付けもないことがあるので注意してください)。
ただし、備え付けられているシャンプーやボディソープが、自分に合わないことも考えられます。こだわりがある場合はトラベルサイズのシャンプー・ボディソープを持参すると安心です。
機内持ち込みの場合には1容器あたり100ml以下にして、1リットル以下の透明ジッパーバッグ1つに入れる必要があります。中身の量が少なくても、容器自体が100mlを超えていると持ち込み不可なので注意してください。
タオル類(バスタオル・フェイスタオル)
タオル類は日本と同様に、バスタオルとフェイスタオルが用意されています。荷物にするとかさばるので、特別なこだわりがない場合にはホテルのタオルを利用しましょう。
ただしゲストハウスの場合には、バスタオルやフェイスタオルの提供がないケースもあります。必ず事前に確認しておきましょう。タオルの貸し出しがない場合には、手ぬぐいを2枚くらい持っていき、タオルとして使うのがおすすめです。
ドライヤー
多くのホテルでドライヤーは標準装備されており、ゲストハウスにもドライヤーは用意されています。ただし、ドライヤーの性能に差があり、ホテルによっては風量が弱かったり、壁固定式で使いにくかったりします。
ちなみに日本で使っているドライヤーやヘアアイロンを、台湾に持っていく場合には注意が必要です。台湾は電圧が110Vなので日本の100V対応ドライヤーを使うと故障する可能性があります。
自分のドライヤーを確認して「100〜240V対応」となっていれば、そのまま台湾で使ってもOKですが、100V専用になっている場合には変圧器を使って電圧を100Vに下げてから利用してください。
湯沸かしポット(ケトル)
台湾のホテルでは、湯沸かしポット(ケトル)が置かれており、お茶やカップラーメンなどを部屋で楽しめます。ただし、以前のようにペットボトルの水を置いているホテルが減りつつあります。その代わりにフロアごとに給水器が設置されていますので、必要に応じてそれらを利用することになります。
不便に感じるようならコンビニなどで水を購入しておくことをおすすめします。
現地調達はできる?コンビニ・ドラッグストア事情

ホテルで提供されないアメニティは、事前に日本で揃えておきたいところですが、LCCのように重さ制限がある場合には、できるだけ荷物は軽くしたいところですよね。そうなると、使い捨てアメニティは現地調達し、現地で使い切るのが理想です。
ただ、初めての台湾旅行の人だと、本当に現地調達できるのか不安ですよね。そこでここでは、台湾のコンビニやドラッグストアで揃えられるアメニティについて解説していきます。
コンビニで買えるもの
台湾には7-ElevenやFamilyMart(全家)、Hi-Lifeといったコンビニがあり、日本のコンビニとほぼ同じ品揃えになっていおり、下記のアメニティを購入できます。
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- カミソリ
- シャンプー・ボディソープ(小サイズ)
- 綿棒・コットン
ドラッグストアで買えるもの
大抵のアメニティはコンビニで購入できますが、種類が少ないといったデメリットがあります。できるだけ多くの種類から選びたい場合は、Watsons(屈臣氏)やCOSMED(康是美)といった、ドラッグストアを利用してください。
購入できるアメニティはコンビニと変わりませんが、日本製や日本ブランドのアメニティもラインナップされているので、いつもと同じものを使える安心感があります。
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- カミソリ
- シャンプー・ボディソープ(小サイズ)
- 綿棒・コットン
使い捨てアメニティの無償提供禁止に関するQ&A

- 高級ホテルでもアメニティは用意されないのですか?
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国で決められたルールですので、ホテルのランクに関係なく使い捨てアメニティは提供されません。むしろ高級ホテルのほうがルールに厳格であるため、星付きホテルや外資系ホテルでも、使い捨てアメニティの無償提供はないと考えてください。
ただし、ホテルオリジナルのアメニティを販売していることもあり、自分用のお土産にもなりますので、そちらを購入するのがおすすめです。
- 台湾のホテルでは本当に歯ブラシはもらえないの?
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環境保護政策により使い捨てアメニティの無償提供が禁止されています。歯ブラシ・歯磨き粉は最も代表的な対象で、客室に置かれていないのが一般的です。有料販売があるホテルもありますが、必ずしも用意されているとは限りません。
- フロントにお願いすれば無料でもらえることはありますか?
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無料でもらえることはほぼありません。フロントで有料販売している場合はありますが、「お願いすれば無料でもらえる」という日本的な対応は期待できません。
- 民宿やゲストハウスならアメニティはありますか?
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むしろホテルより簡素になっています。民宿やゲストハウスでは、使い捨て以外のアメニティもほとんど用意されていないと考えてください。予約時に設備欄を必ず確認しましょう。
まとめ:台湾旅行では「日本と同じ感覚」を捨てよう
台湾のホテルでは、日本と違い使い捨てアメニティの無償提供が原則として行われていません。歯ブラシやスリッパ、カミソリといった「日本では当たり前」のアイテムが置いていないことも多く、事前に知らずに行くと戸惑ってしまう原因になります。
とはいえ、事前準備しておけば不便に感じることはありませんし、何よりも現地のコンビニやドラッグストアで揃えることができるので、どうにもならなくて困ることもありません(スリッパは日本で買っておくことをおすすめしますが)。
- 日本と同じサービスを期待しない
- 最低限のアメニティは自分で用意する
- 環境配慮が前提の国だと理解する
この3点を頭に入れておき、事前準備さえしておけば、台湾はとても快適で過ごしやすい旅行先です。アメニティ事情を正しく理解し、安心して台湾旅行を楽しんでください。
