
台湾グルメを代表する一皿といえば、真っ先に思い浮かぶのが「小籠包」ですよね。ジューシーなスープと薄皮の絶妙なバランスは、台湾旅行の醍醐味のひとつです。でも、ガイドブックや観光サイトに載っている有名店だけが「本当に美味しい店」とは限りません。
この記事では、台北の地元民も通う、本当におすすめしたい小籠包の名店10選を毎年台湾に遊びに行き、現地にも友人がいる筆者が厳選してご紹介します。観光客にも人気の有名店から地元で愛され続けるローカルな名店まで、満足度の高いお店をチェックしていきましょう。
台北の小籠包文化と地元の人が選ぶ理由

台湾には、台北だけでも数えきれないほどの小籠包店があります。高級レストランから庶民派食堂、夜市の屋台まで、そのスタイルは実に多彩。日本にも進出している有名店も多くありますが、台北の地元民が本当に通っているのは、味とコスパ、そして“慣れ親しんだ美味しさ”を兼ね備えた店です。
小籠包といえば、薄い皮の中に熱々のスープと肉餡が詰まった一品。店によって皮の厚さやスープの濃さ、餡の風味、そして付けダレの味わいまで個性があります。地元の人はその微妙な違いを楽しみながら、自分のお気に入りお店を長年リピートしています。
また、台北では小籠包は特別な料理というよりも日常的な食事のひとつ。朝食に食べる人もいれば、ランチや軽い夕食に楽しむ人も。そんな“日常の味”だからこそ、地元民の舌は正直で、「美味しいお店は常に行列」「コスパが悪いとすぐ敬遠される」という厳しい基準で選ばれ続けています。
これから紹介するのは、そんな地元の人々が実際に通う、台北の小籠包の名店ばかり。観光客にとっては「ガイドブックにも載ってないけど大丈夫?」となるかもしれませんが、味にうるさい地元民のお墨付きという点で安心して足を運べるラインナップになっています。
地元民も通う!台北のおすすめ小籠包店10選

地元の人たちが「また行きたい」「人にすすめたい」と口を揃える小籠包の名店を、厳選して10店ご紹介します。味・コスパ・雰囲気のバランスに優れた店ばかりなので、観光客にも安心しておすすめできるお店ばかりです。
鼎泰豊(ディンタイフォン)信義本店|誰もが知る王道小籠包店
「有名すぎて外したい」と思う人もいるかもしれませんが、やはり一度は味わってほしいのが鼎泰豊本店です。手際よく包まれたアートのように美しい小籠包は、大切な人を接待するときや、特別な日に選ばれる実力派のお店です。平日でも行列ができるため、早めの来店かピーク時を外す、もしくは事前予約がおすすめです。
住所:台北市信義路二段194号(MAP)
最寄り駅:MRT東門駅 徒歩2分
HP:https://www.dintaifung.com.tw
杭州小籠湯包(ハンジョウシャオロンタンパオ)|地元のリピーター多数
人気観光スポット中正紀念堂のすぐ近くにありながら、観光客よりも地元客の比率が高くレトロカジュアルな雰囲気が魅力のお店です。薄めの皮にたっぷりスープ、餡の味もやや濃いめで食べごたえあり。スープのキレと香りが評判で、わざわざタクシーで通う常連も多い人気店です。
住所:台北市杭州南路二段17号(MAP)
最寄り駅:MRT中正紀念堂駅 徒歩5分
金品茶樓(ジンピンチャーロウ)|お茶と本格小籠包の組み合わせが魅力
清潔感があり、店内も広々としていて初台湾の人でも入りやすい雰囲気。小籠包は鼎泰豊系の上品スタイルで、初めて台湾に来た人にもおすすめ。もともとはお茶のお店だったということで、お茶と合わせて食べるのがおすすめです(もちろん台湾ビールもOK)。
住所:台北市長春路16号(MAP)
最寄り駅:MRT中山駅 徒歩7分
京鼎小館(ジンダオシャオグァン)|鼎泰豊の元職人が独立
「鼎泰豊の味は好きだけど、もう少しパンチが欲しい」そんな人におすすめなのが京鼎小館です。超薄皮としっかり味付けされたスープが特徴で、食べ応えがあります。観光客だけでなく駐在員などビジネスマンの姿が目立つ一軒。
住所:台北市敦化北路155巷13號(MAP)
最寄り駅:MRT松江南京駅 徒歩5分
高記(カオチー)南京東旗艦店|レトロな雰囲気と上品な味
永康街エリアにある老舗が営業終了。現在、「南京東旗艦店」「新生店」「信義小館」の3店舗体制で営業しています。クラシックスタイルの小籠包で皮が少し厚め、しっかりと食べ応えがある一品に仕上がっています。
住所:台北市南京東路二段51番地(MAP)
最寄り駅:MRT松江南京駅 徒歩4分
明月湯包(ミンユエタンパオ)|地元密着の住宅街の名店
派手さはありませんが、「小籠包はここが一番」と通うファンが絶えない店。モチモチの皮にしっかりスープが詰まっており、肉の旨味も濃いめ。観光客は少ないので、地元感を味わいたい人におすすめです。招牌鍋貼(焼き餃子)も絶対に頼みたい逸品です。
住所:台北市通化街171巷40号(MAP)
最寄り駅:MRT六張犁駅 徒歩10分
永康街小籠包(ヨンカンジエシャオロンパオ)|スープなしスタイルの小籠包
永康街小籠包の正式名称は「永康街小篭包40年老字号」で、テイクアウト専門店です。一般的な小籠包のようにスープがたっぷりというスタイルではなく、中国の小籠包と同じ肉まんスタイル。ボリューム満点なので半籠の5個がおすすめです。
住所:台北市大安区永康街6-4号(MAP)
最寄り駅:MRT東門駅 徒歩3分
點水樓(ディエンシュイロウ)|高級感と地元人気を両立
台湾旅人のスタッフもお気に入りのお店。台北市内には3店舗あり、いずれも上品な雰囲気で、落ち着いて食事したいときにおすすめです。小籠包も上品な味付けで、蟹皇小籠包(カニ肉入り小籠包)が絶品。一品料理も充実していて、台湾に行くたびに通いたくなります。
住所:台北市懷寧街64号(MAP)
最寄り駅:MRT台北駅 徒歩6分
盛園絲瓜小籠湯包(ションユエンスーグアシャオロンタンパオ)|ヘチマ小籠包が人気
普通の小籠包とはひと味違う、ヘチマとエビ入りの「絲瓜小籠湯包」が大人気。すっきりとした甘みのあるスープが女性にも好評です。上海小籠湯包と食べ比べもぜひ楽しんでください。台湾のビールが好きなら三鮮鍋貼(焼き餃子)も必食です。
住所:台北市杭州南路二段25巷1号(MAP)
最寄り駅:MRT中正紀念堂駅 徒歩10分
正好鮮肉小籠湯包(ジョンハオシェンロウシャオロンタンパオ)|待ってでも食べたいローカル店
注文を受けてから作られる小籠包は、透けるほど薄い皮が特徴で、いつも地元民や観光客がいっぱい。メニューは小籠包と焼売、酸辣湯のみなのでしっかり食事というよりは、臨江街観光夜市の屋台とセットで楽しむのがおすすめです。
住所:台北市大安区通化街57巷6号(MAP)
最寄り駅:MRT信義安和駅 徒歩6分
小籠包をさらに楽しむための豆知識

せっかく台湾で小籠包を食べるなら、もっと美味しく、もっと楽しく味わってみませんか?ここでは、小籠包を存分に楽しむための豆知識やコツをご紹介します。
正しい食べ方のポイント
- 1. レンゲにのせる
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小籠包はとても熱いスープがたっぷり入っているので、直接口に入れると舌を火傷してしまいます。まずは箸でそっとつまみ、レンゲにのせます。
- 2. 皮を少し破ってスープを味わう
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箸で皮をそっと裂き、中のスープをレンゲに出してから少し冷まします。このスープを先に一口すすってから食べるのが台湾流。
- 3. 酢と生姜を添えて
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台湾では黒酢をかけた千切り生姜を小籠包に乗せて、さっぱりした味わいで楽しむのが定番。特に脂が多い小籠包ほど、この組み合わせが絶妙に合います。
一緒に頼みたいサイドメニュー
- 酸辣湯(サンラータン)
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酸味と辛味が効いたスープがさっぱりしていて、濃厚な小籠包の口直しにぴったり。
- 空心菜炒め(クウシンサイの炒め物)
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にんにく風味のシンプル炒めが小籠包や台湾ビールによく合います。
- 小菜(冷菜盛り合わせ)
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ピリ辛きゅうりや豆腐など、軽い一品もおすすめ。
小籠包巡りにおすすめのエリア&アクセス方法

台北は地下鉄(MRT)で簡単に移動できるので、小籠包の名店巡りも公共交通だけでスムーズに楽しめます。しかも人気の小籠包のお店は近いエリアに集まっています。そこで、ここでは特におすすめのエリアと、エリアごとの効率的な巡り方をまとめました。
永康街(ヨンカンジエ)エリア
特徴:鼎泰豊本店、高記、永康街小籠包など有名店が集結
アクセス:MRT東門駅下車すぐ
・台北観光の定番スポットで、カフェや雑貨店も多く、食後の散策にもぴったり
・休日は特に混雑するため開店直後の時間帯に訪問するがおすすめ
中山・南京復興エリア
特徴:點水樓、京鼎小館、金品茶樓など地元に人気の店が集中
アクセス:MRT中山駅・松江南京駅・南京復興駅が便利
・ホテルが多いエリアなので、宿泊とセットで動きやすいのが魅力。
・徒歩圏内に複数店があるため、はしごしやすいルートです。
大安・六張犁エリア
特徴:明月湯包などローカル密着型の穴場が点在
アクセス:MRT六張犁駅から徒歩圏
・観光客が比較的少なく、地元の空気を感じながら食べたい人におすすめ
・有名店も多く、さまざまな小籠包を比較しながら楽しめる
観光ガイドに載っていない本当に美味しい一皿を
台湾・台北には、ガイドブックやSNSだけでは見つからない地元民が通う本当に美味しい小籠包の名店がたくさんあります。小籠包はシンプルに見えて、店ごとに皮の厚みや餡の味、スープのコクまでまったく違うため、それらの名店を食べ比べするというのも台湾の楽しみ方のひとつになります。
今回紹介したお店は、どれも地元の人が「美味しい」と太鼓判を押す信頼できるラインナップです。せっかく台北を訪れるなら、観光客に人気の有名店だけでなく、地元の人たちが愛するお店もぜひ挑戦してみてください。きっと、「また食べに来たい」と思える一軒に出会えるはずです。